日本酒+チーズ料理
日本酒をチーズ料理に合わせるコツと、プロの技が光るチーズ料理をご紹介!
■日本酒は“料理のソース”のように考えるのがポイント
米を原料につくられる日本酒は、ぶどう原料のワインと比べると、まろやかでやさしい味わいのものが多いため、いろいろな料理に寄り添い、受け止めてくれるものが多いと言われます。しかしながら「料理の味を邪魔しない」ということと、「合わせることで美味しさが倍増する」ということには大きな違いがあります。コツは「その料理に添えるソース、調味料のように考えてみること」です。チーズを生かした料理は、いろいろな風味があります。そこにどんな味わいの“ソース”を足したら、より美味しくなるか。和のエッセンス溢れるのご紹介です。
里芋とウォッシュチーズとタコの明石焼風
ミルキーな風味に、熟成した旨みと個性的な香りがあるウォッシュタイプのチーズ。日本にも、香りの強いさまざまな発酵食品がありますが、和食でも味わいのアクセントとして、ウォッシュチーズはいろいろと活用できる食材です。ふんわりした明石焼風の生地の中に、チーズをプラス。滋味深い出汁と爽やかな大葉を添えて仕上げましたので、その香りが口の中でじんわりと馴染んでいくよう、「木の香りがあるフレッシュで甘やかな常温の日本酒」を合わせるのがおすすめ。チーズの風味を甘く包みながら相乗させてくれる、熟成があまり進んでいない「貴醸酒」を合わせると、さらに最高の味わいが体験できます。さらっとしたハチミツを少し足すような、そんな仕上げの調味をするイメージです。
<材料> 2人分
里芋 5個
山芋 50g(すりおろしたもの)
塩 2g
薄口しょうゆ 小さじ1(5cc)
みりん 小さじ1(5cc)
卵白 適量
片栗粉 適量
茹でたタコ 2片
ウォッシュチーズ 7g ×2
大葉 適量(細千切り)
<だし汁>
昆布・鰹でひいた出汁 200cc
酒 小さじ2(10cc)
薄口しょうゆ 小さじ2(10cc)
塩 2g
<作り方>
1. 箸や竹串がすっと通る程度に下茹でした里芋と、すりおろした山芋、塩、薄口しょうゆ、みりんをすべて合わせて、ミキサーにかけ、ペースト状にする。
2. だし汁はやさしい味わいになるよう、上記材料の分量を目安に調整して用意しておく。
3. ラップの上に、1.を40g程度のせ、そこにウォッシュチーズとタコをのせる。
4. 中からチーズとタコが飛び出さないよう注意しながら茶巾状に包み、丸く形を整え、卵白をつけて片栗粉をまぶす。
5. 160℃の油で、3〜5分揚げる。
6. 温かいだし汁を入れた器に盛り、大葉を上に添えて出来上がり。
<ポイント>
・ミキサーがない場合は、すり鉢やボウルのなかで、なめらかになるまですりつぶしてください。
・里芋は温かい状態でミキサーへ。山芋なしでもできますが、加えたほうがよりふんわりとした食感になります。
・市販の出汁を使う場合でも、濃い味にならないように調整してください。
日本酒監修: 千葉麻里絵(ちば・まりえ)
レシピ監修: 深津麻紀(ふかつ・まき)