自分の楽器だと。
ステージから客席に向かって、
席まで届けとばかりに弾いてきた。
千葉市民会館は、ストラド持参で、
始めから作戦が。のはずが。
?なんか違う。これでも無い…。もしや…。
前半が終わった時点で…。
自分の楽器では、全く感じない音が出ている。
ドミナントの音?何の音なのか…。
確かにミルシテインは、ガット弦を張っていた。もしや…。
ただし、自分が気になっていたのは、そんな事よりも。
壁が有る!目の前に。
ステージの淵辺り、緞帳のように見えない壁が。
自分のすぐ前にその「壁」を見たとき、
その先には音は行かないんだと、わかった。
自分からホンの1間程先が壁。そしてピアニストは、
これか…もしかして。
千葉の後半、そして、反響板すらない扶桑のホールへ。
「いつものようにマイク使いますよね。」
そうだった。このホール、マイク無しには弾けなかった。
マイク無しで。ストラドだから。っつーか、
ステージの淵に壁が有るんだから、そんなの関係無い。
この「壁」は不思議な。
音は壁までしか届かない。
ところが。
このストラドの魔法は。
「壁」のこちら側に聴衆がいる?
壁の向こう側にいるはずの聴衆が。
扶桑では、ステージの淵まで50cmの所に立っていた。
このステージは「壁」の上に鴨居まである。普通に考えたら、
ところが。
壁の内側で「魔法の国」になっているため。
もう、何も気にしなくていい。
ただ、そっと弾くだけ。
扶桑の反響板無し700席には、それで足りた。はず。
次のストラド日程は、品川カルテット(
ステージ中の4人だけで弾く。