高橋悠治の芸術


古澤巌コンサートスケジュール

5月22日、関西では2年振りの尼崎クラシック公演。

クラシックなので、勿論世紀の天才「高橋悠治」のピアノと。
自分が子供のころから、まれに共演させてもらってきた悠治さん。
いったいお幾つなのか。

悠治さんは、いつも衣装は着ない。
絶対的に、家から来たままの、自然体でステージに。
まずはそこで、客席がどよめく。
それを見透かしたように、ひょうひょうとゆく悠治さん。

格好いい!

もうこの時点で、たまんない。
で、曲が始まったら終わるまで、あっという間。

シューマンの二番、全部繰り返して弾いてるのに。普通弾かないだろ、こんな譜面がまっ黒い曲。
昼夜2公演、クラシックなのに、悠治マジック凄い。本当に、あっという間だった。
見たことある?高橋悠治。ピアノ弾いてるようには見えない。
パソコンやってる感じかな。

超不思議な生物。世界のピアニストランキングトップ常連。作曲家なんだけどね。
ピアノは独学。東儀秀樹と一緒だな。

まだアメリカにいる頃、天才がいて、「日本人でさ、会ってみたい音楽家とかいる?」と、
何も期待しないできいてみたら、即答「yuji Takahashi!」。
ビックリ&ドヤ。嬉しかったな。

昔「ながら族」はあったけど、普通はね、何かをしながら、別の事をするのは難しい。
バイオリンとピアノのコンサートの場合、ピアノを弾きながら、バイオリンを聞くとか。
ピアニストは、バイオリンパートみたいに暇じゃない上に、ピアノがでっかいから音も大きい。
聞こえないわけだ。無理がある。

なのに、悠治さんには聴こえてる。わかるんだよ、聴かれてるのが。
だって、自分にしかわからないような、ふとした心の迷いとか。
嘘だろ?と思うほど、なんであんなにでっかい滝のような音を降らせながら、
バイオリンの、こんなか細い音を拾えるの?

今回の御言葉、
「ピアノを弾いているのではなく、バイオリンを聴いているだけ。
自分が弾いてしまったら、作為的な演奏になってしまう。
ピアノを弾いているのではなく、ピアノが「自ら」奏でているように。」

この歴史的音楽家の言葉。
自分のために、ここに書いておこう。

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