ルネ・ラリック(Lene Lalique,1860-1945)は1920年代から1930年代にかけてフランス、 アール・デコスタイルのガラス工芸作家として、今なお世界中で高い評価を得ています。
16歳で宝飾細工師に弟子入りし,弱冠20歳にしてカルティエをはじめとする一流宝飾店から仕事の依頼を受けるようになったラリックは、サラ・ベルナールら大女優の舞台アクセサリーを手がけるようになります。
宝飾デザイナーとして有名だったラリックを本格的なガラス工芸家へと導いたのは、フランソワ コティーでした。1908年にコティーから香水瓶のガラス製ラベルの製作依頼を受けて以来、ラリックのデザインは香水界に大きなインパクトを与えました。
美術工芸界と産業界のコラボレーション。
眼に見えない香りの魅力や、イメージを香水瓶のデザインによって表現し、本来、付属品にすぎなかった香水瓶のストッパーを主役にデザインしたり、エナメルやサティネ加工を施したりなど、生涯で400種類以上のモデルが製作されました。
また日本の伝統工芸品の繊細さ、 その構図の目新しさに大きな影響を受け、べっ甲に似た水牛の角を使用して日本の櫛のような形の髪飾り をいくつも製作しています。