WHO IS 67?
【映画レビュー】
※ この映画の結末は、決して人には話さないで下さい。
そう言われると、逆に言いたくなる・・・衝動を抑えつつ、ネタバレ無しで。
<<ズバリ、この映画の楽しみ方は結末への伏線をいくつ見つけることができるか!>>
正直なところ、推理小説ファンにとっては、目新しいストーリー展開では無いと思います。
① 超SS級の推理小説マニアならば、始まって10分で気づいてしまうかもしれません。
【ああ、あのパターンだな】と。いや、もしかすると、この写真でもう気づいてしまったかも。
(写真は配給会社から送られてきたプレスリリース)
② ちょっと感の良い方ならば、1時間以内には気づくでしょう。
【あれ、何だか変だぞ・・・もしかして!?】と。
ただ、この時点で【?】と思った場合、二つの方向性の【?】に分かれていきます。
どちらも同じ答えにはなるのですが、結末の印象が変わってきます。
一つ目の【?】は、殆どの方が思いつくであろう予測。
これは、ある意味、マーティン・スコセッシ監督がそう思わせようと演出しているので、◎。
そのまま素直に観ていた方が、最後まで楽しめます。
もう一つの【?】は、【ああ、こういう結末か。で、その後の展開で、どんでん返しがあるんでしょ。】という、良い意味で、ちょっと文学、映画ズレした方。こうなってしまうと、後の1時間が長く感じられるかもしれません。
③ ラストまで気つかなかった方。おめでとうございます。人生得した気分になれます。
①、②、③ どの方にも共通して言えるのは、ちりばめられた伏線を、一度観ただけでは全て拾えないということ。
明らかに『これは!』と気づかせてくれる場面もあります。逆に、自然な流れの中で演出されているので、言われて初めて『ああ!!!』と思うことも多いのです。
鑑賞後に、ああでもない、こうでもない、そうか、なるほど!と映画談義に花が咲くこと間違いなし。
<<字幕版で観るか!、超日本語吹き替え版でみるか!>>
『超日本語吹き替え版』とは何ぞや?と、言うわけで、生まれて初めて吹き替え版にチャレンジ。
さすがに一度の鑑賞では、永年煩っている吹き替え版アレルギーを払拭することは出来ませんでした。口の動きと台詞は完全に合っていますし、とても自然な流れです。でも、俳優さんの微妙な演技のニュアンスが伝わってこないのです。
声優さんは体を動かさずに演技をするもの、役者さんは体を動かしながら演技をするもの。
声優さんの発声は前に直線に響くので、言語以前に、その声の振動が私には不自然に感じられてしまうのです。
ただ、【シャッターアイランド】のように、画面に集中して推理する・謎を見つけて行くようなストーリーの場合は、吹き替え版で観るのも良いかもしれません。
どちらで観るか・・・。できれば両方見比べて下さい。
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マーティン・スコセッシ監督、第67回ゴールデン・グローブ賞・セシル・B・デミル賞を授与!
米ビバリーヒルズ(Beverly Hills)で17日(日本時間18日)に開催された第67回ゴールデン・グローブ賞の授賞式で、映画監督のマーティン・スコセッシ(67)が、生涯功労賞にあたるセシル・B・デミル賞を授与されました。セシル・B・デミル賞は、昨年スティーブン・スピルバーグが受賞するなど、ハリウッドの映画製作に深く貢献した人に与えられる名誉ある賞で、スコセッシ監督の長年の映画監督としての仕事が評価され、今後の活動への敬意を示したことになります。
スタンディングオベーションで壇上に迎えられた監督は、プレゼンテーターとして登壇したレオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロの新旧の相棒からトロフィーを受け取り感無量でコメントを語り、貴重なスリーショットを披露しました。スコセッシ監督は、ゴールデン・グローブ賞の監督賞に4度、脚本賞に1度ノミネートされ、『ディパーテッド(The Departed)』と『アビエイター(The Aviator)』で監督賞を2度受賞。ディカプリオと再びタッグを組んだ最新作『シャッターアイランド』はディカプリオ主演で『ミスティック・リバー』の原作者デニス・ルヘインの小説を映画化した作品で、2006年の『ディパーテッド』以来の長編映画です。
【コメント】
ロバート・デ・ニーロ
過去20年ほど、マーティと私は一緒に、映画を次々と作ってきました。私たちは、年老いた夫婦のように、一緒に人生を築き上げ、すばらしい思い出の数々を作ってきました。マーティ、あなたは、我々の映画界にとって非常に貴重な存在です。映画の過去を保存し、映画のための未来を見つけているからです。あなたは私にとっても大切です。もし、我々が一緒に仕事をしていなかったら、私は今夜こうしてここにいないでしょうから。こうしてあなたに賞を授与する以上にうれしいことはありません。それに、時代が違っていれば、セシル・B・デミルが、マーティン・スコセッシ賞を受けていたかもしれないと思わずにはいられません。
レオナルド・ディカプリオ
私があなたと協力した映画は、私のキャリアの中でも一番自慢できる作品です。今日は、私の良き友人、そして指導者であるあなたに賞を贈ることができてさらに大きな栄誉を感じています。
スコセッシ監督は撮影セットに足を踏み入れるたび、映画製作という芸術に対する無類の知識と敬意を持って臨みます。彼は映画に対し、作品そのものが独特のアーティストとして一本立ちするほどの敬意を払っています。映画製作の巨匠であり、寛大で忍耐強い教師である彼が、過去100年分の映画しか見ていないというのは驚きです。1000年分に近いのではないかと思えるからです。歴史を振り返ると、それぞれの分野を確立した人々がいます: ピカソにダヴィンチ、シェイクスピアにベートーベンなど。これから1000年先まで映画史が続いたとして、未来世代の人々が映画界における映画製作の巨匠と同義語として考える一人、それが、マーティン・スコセッシです。
マーティン・スコセッシ
ありがとう、ありがとうございます。今夜、すばらしい賞を受賞できて本当にうれしく思っています。もちろん、この賞を手渡してくれる二人は、すばらしい俳優であり友人、そして、すばらしい協力者です。映画の最後に流れるエンド・クレジットを見ながら席を立たずにいるのは、なかなか大変になってきています。映画製作にはものすごい数の人々が必要だからです。 “映画作りというのは協力作業だ”と言うのは、言い古された言葉ではなく、まさに事実です。私は、非常に多くの人々と協力してきました。そのうちの多くの方々が、今夜、この場にいらしています。私はみなさんに感謝していますが、一人ひとりに感謝の言葉を述べるのはやめておきます。そんなことをしたら、この番組はゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞の両方をあわせたよりも長時間になってしまいますから。(笑)
私の名前を、セシル・デミルという究極のショーマンの名前がついた賞の受賞者に加えていただき恐縮しています。デミルは、観客が驚異を体験できるような映画を作りました。彼は映画というものが生まれた始まりの時代を生きました。彼は、今日我々が使っている物語のスタイルや言語を形作ること、映画をビジネスとして成立させ、神話的な分野として形作ることに手を貸しました。彼は我々のために道を築いてくれたのです。彼の映画や、ヒッチコック、キューブリックの映画を見ると、映画製作というのは、生きた、進行中の歴史の一部であることを思い出します。私はこういうことに関われて・・・感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。