高橋一生「ルーヴル美術館展」来館レポート

    国立新美術館では9月3日(月)まで「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」を開催中です。人の似姿を描く肖像芸術は、古代より長い歴史をもつ芸術ジャンルです。本展はルーヴル美術館の豊かなコレクションを通して、肖像芸術の社会的な役割やその表現上の様々な特質を浮き彫りにします。ルーヴル美術館が誇る肖像画の傑作、ヴェロネーゼの《美しきナーニ》をはじめ、3000年以上前の古代エジプトの棺用マスクからルイ14世やナポレオンの君主像など様々な肖像、いわば“ルーヴルの顔”が並んでいます。そして、“展覧会の顔”ともいうべき、オフィシャルサポーター・音声ガイドを、様々な役を演じる俳優・高橋一生さんが担当しています。


     
    Q,初めて国立新美術館での展示構成をご覧になっての感想は?
    作品群はほとんどパリのルーヴル美術館で拝見しましたが、展示する場所によって雰囲気も変わるので、また本家とは違うところで観られることは面白いと思います。

    Q,ルーヴル美術館と国立新美術館で改めて見てイメージが違った作品はありますか?
    ルーヴル美術館は空間すべてが額縁のようで、感じ方としては良くも悪くもすっと入ってきました。国立新美術館のようなモダンな建物の中で展示されていると、絵画にしてもナポレオンの彫像にしてもディテールが際立ち、見易くなっている印象を持ちました。
    作品では《美しきナーニ》は特にイメージが違いました。ルーヴル美術館ではたくさんの絵画と一緒に飾られていて、《モナ・リザ》も同じ空間に展示されているんですが、本展覧会のように一枚で“どん”と展示されていると、絵画との距離感を広く取ってみることができます。色々な見方を個々人でできるのではないかと思います。またナポレオンのデスマスクのように通常ルーヴル美術館では展示されていない作品も、今回展示されていることも不思議に感じます。

    Q,今年2月の記者発表会で気になる作品として挙げられていた
    メッサーシュミット《性格表現の頭像》の印象は、ルーヴル美術館と国立新美術館で違いましたか?
    ルーヴル美術館では、部屋の真ん中でアクリルケースに入っていたので、後ろに回り込み見ることができましたが、国立新美術館は背景に壁があります。色もグレーで何か示唆的というか。ですが許される限り横に回り込んで見て頂きたいで(笑)。美術作品の展示というのは、過度な演出にならないように、繊細な作業を要するんだな、と思いました。

    Q.《美しきナーニ》をどうご覧になりましたか?
    当時、絵画作品は肖像作品以上に政治的に使われていたり、意味を持たされたり、新聞の見出しになるようなインパクトを与えるものでした。そういう使われ方に鑑みると、彼女の肖像というものは彼女が望んだものではないかもしれません。誰がモデルか分かっていないようです。理想の女性像を、誰かをモデルにして描いたのでは、と言われています。当時の様式や美容法もとても興味深いです。どのようにあの金髪にしたのか。髪を日光にあてて焼いたのでしょうけれど、その割には肌が白い。当時の女性の美しさを詰め込んだのでは、とも思います。

    Q,展示されている作品から役者として受けたインスピレーションはありますか?
    表情を敢えて前面に出すことが、表現として正しいことか、元々疑問に思っていましたが、改めて「これでいいんだ」と感じました。何にしても、「分かりやすいもの」や「ガイドがあるもの」の方が重宝されるとは思いますが、絵画や彫像にしても、無形の僕らがやっていること(芝居など)も、何か表現するにあたっては、伝わっているか、分かって貰えただろうかといった不安が きっとあると思います。それに対して、僕自身が期待しなくなったというか、どう捉えてもらっても構わないかな、という感覚になりました。そうしないと、初期衝動でないものを外に出してしまうかもしれない。たとえ間違って伝わってしまっても初期衝動で出してしまったものの方が伝わりやすいのかもしれません。
    《モナ・リザ》や《美しきナーニ》を見ても、一体どういう想いだったのか、見ている側としても、自分から出す側としても、共有を前提としなくなりました。想像の可動域は常に広くとっておきたい。自分が表出するときも受け取るときも、どういう感覚だったか、答えを一つに絞らないようにしています。時間が経ってから気づくこともあるでしょうし。
    また、絵画は静物ですが、一部分の切り取りだからこそ雄弁に語られているものもあります。何にフォーカスを当てたいか、その裏に隠されたものが気になってしまいます。《マラーの死》も、あのような美しい死に方ではなかったでしょうが、革命の英雄として祀り上げるためにあのように描かれたのでしょう。その絵画に隠された悲しみや革命家としての死に方以前に、この人は本当はどういう人だったのかと思いを巡らせることができます。一つの切り取りだけで色々なものが感じられるということは、翻って自分のお芝居に当てはめると、一部分の切り取りでも伝わるものは伝わると信じてやっていくしかない、と思います。

    Q,音声ガイドで改めて注目してほしいポイントはありますか?
    最後のボーナストラックで、音声ガイド・オフィシャルサポーターのことについて、自分が感じたままのことをお話していますので、見終わった後に、裏話など楽しんでもらえれば嬉しいです。作品についてはあくまでガイドとしてフラットに話していますが、個人の感想は僕の感覚で自由に喋らせて頂きました。

    【音声ガイド】
    オフィシャルサポーターの高橋一生さんが、モデルや芸術家にまつわるエピ
    ソードをたっぷり紹介。肖像に込められた様々な人の思いをひも解きます。ポーズや装いにも注目!その意味や、肖像の見方を分かりやすく解説します。
    【所要時間】 約35分(作品解説21点+ボーナストラック2点)
    【当日貸出価格】 1台550円(税込)
    【ガイド制作】(株)アコースティガイド・ジャパン

    「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ―人は人をどう表現してきたか」
    ▶開催概要はこちら

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