停電のおかげで、
また二分、間に合わなかった。
名古屋での乗り継ぎ。
次の「ひだ」まで一時間ある。
春の香りもまだ肌寒いホームには、誰もいない。
そこには、ただ、風が吹いているだけ… 。
レコーディング明けの弱りきったシューベルトには、風が冷たい。
そうだ、名古屋駅には、「きしめん」が !
誰もいない。貸切りか。
その時、
暇そうなおばちゃんが、楽器にふと目をやった。
「東儀秀樹さんね、あの昔の楽器吹く人。知ってる?こないだ来たよ。」
そんなには、知らないふりをしてしまった。
早く有名になりたい。
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