無風、月が出ている。
120年前の大洪水で、現在の丘に移った本宮大社。
再び、この度の惨事は、さぞや辛かったに違いない。
皆が奉納公演の準備を手伝ってくれる。
鳶志望の自分は、照明を担当。身軽にスルスルと、長い梯子を一気に昇る。
普段、向かいの神殿を照らすライトを、今夜だけ、太鼓チームに向ける。
神社にある、一番大きな脚立をひろげて、やっと手が届く。
カッチカチに固まった金具は、ちょっとやそっとではビクともしない。
これは結構、手間取った。将来のための反省点の一つだ。おまけに、直さないで帰って来てしまった。
しまった… 。ごめんなさい神様。
ライトのポールは、あまりに細く、体格のいい宮司さんが、しっかり梯子を押さえていてくれていた。感謝。
ちなみに、自分は高所恐怖症。
夢と現実を繋ぐ、我らの「からす天狗」は、新米を薪で炊き、美味いおむすびを、100近く握って来てくれた。
普段、米は食べないが、10個は食べた。
からす天狗のご縁で、本当に偶然、
鬼城太鼓と、熊野の歌姫に遇った。
自分の国を愛する人々と、音楽という喜びを分かち合う。
厳しいからす天狗も、今夜は喜んでくれた様。
熊野の神々に捧げに、また来年、皆と。
本宮大社は、来年120年祭。
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