昔、新宮から、一本の電話が来た。公演の依頼。何に例えたらいいのか、失礼を承知で言えば、「からす天狗」からだった。
全く知らない土地に行くのは常として、無知な自分を、那智の滝まで、山の中を連れていってくれた。
まだ熊野古道が世界遺産になる、ずっと前の話。
見たことも、感じた事もない、自然とのコミュニケーション。からす天狗に、ただただついていった。全てが感動で新鮮だった。
常に新宮の仲間を忘れた事は無い。そして、新たに出逢った、熊野の山伏の師は昨年、滝に入る自分を守り、今は高野山の、お大師様の彼方へ。
太鼓の名手でもある師は、熊野の鬼城太鼓の仲間入りも許して頂いた。
今朝、からす天狗は、無事だった。太鼓の仲間も。
神々の故郷はいつかきっと、新しい未来を迎える。
からす天狗がいる限り。必ず。
[GARD]スポンサーリンク