録音2日目(土)


古澤巌コンサートスケジュール

いつも、真夜中に目が覚める。

時差ばっちり。

ボーッといつもの朝ご飯へ。

毎朝同じミューズリーを食べ続ける。

窓際の席から、向かいの建物を何気なく眺めていたら。

?無数の銃弾の跡。蜂の巣。

昔のままの建物ばかり。

愚かな記憶を、後世に残す。

いったい、あの時、何が起きたのか?

戦争がしたい人間なんか、いない筈。

いったい、目的は、なんだったんだろう…。



その昔、世界初の「国歌コンクール」なるものがあったらしく。

優勝は、なんと日本の、君が代。

日本の軍楽隊を指導に来ていたドイツ人の作曲。

っつうか、コードをつけた、

みたいな。

でも優勝って、いい話。

確かに、オリンピックとかで奏でられる知らない国の、初耳の国歌とかは、

せっかくなら、もう少し威厳のある曲にすればよかったのに、と思う時がある。

大きなお世話だけど。

今回のイタリア人の作曲家、

ロベルトのコンチェルトは、

世界初録音だそうだ。

クラシック的に、ホールで、

せーので録る。

タイフーンのとか、アサド兄弟、悠治さんの録音が、そうやっている。

ポップスの録音は、バラで録るから、完璧にまで作り込めるけど。

こちらはこちらで、

生の温もりということで。

その前に、今朝はフォトセッション。

おもしろいカメラマンが来た。

どうやら、バイオリンが弾けるらしい。

面白い注文が、次々に。

楽しくやってるうちに、

見回りのガードマンに見つかり、強制終了。

何だよ、許可取ってないんかい。

なので、録音の続きを。

ロベルトの2楽章は、美しすぎる。

聞くと、まず、2楽章を作る。

それから、他の楽章を。

3楽章はてこずりながらも、エンジニアのOKが出たので、さっさと録音終了。

続けて、仮の編集を。

えらく、耳のいい、というより、センスのいい、エンジニアさん。

流石ドイツ。ドイツ人の中でも、

どいつでもいい訳じゃ無い筈。

こんな人なら、全てを任せて、音作りしてみたい。

ということになり。

きっと、ルグランタムールとは違った音が楽しめそう。

でも時間が厳守なので終わり。

夜8時から、

ディンカが用意してくれた特別席で、ベルリンフィル鑑賞。

隣で、HATSの越が、おおいびき。

みっともないので、放置した。

2曲目に、新作があったのだけれど。

これでもか、な、現代音楽。

チェロのソロで、4楽章もある。

目がチラチラするんだろう、

オケの皆が目を擦りながら、一生懸命弾いている。

で、何が凄いって、チェロのソロ。

暗譜!!

ありえねー。誰か知らねど、上手すぎる。

こんな人、いるんだ。

終演後に、樫本君に遭遇。観に来ていたみたいで。

「何で樫本さんがここにいるんでしょうねぇ。」

どうやら、〇越は、樫本君がベルリンフィルのコンマスだって事を、知らないラシイ…

「じゃ、僕はこれからカジノ行ってきますんで。」

と言われて、

またホテルのバーで、

カリーブロストと、ヴァイツェンを、いつものようにひとりで。

毎晩同じだった。

殆ど寝ずに空港へ。

今は乗り換えで、ポワソンスープを。

外は10℃。ヒョウが降っている。

エルミタージュが染み渡る。

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