久しぶりに聴いた。
よく見ていると。
瞬間瞬間の細かなニュアンスを、
テンポに置き換えて振っている。
ロシアナショナルも、ただテンポを弾くのではなく。
ビート(テンポ)に、メロを当ててくる…これなら、
この指揮でも通用する。
プレトニョフ本人は、音楽を熟知している。天才。
それを。
テンポだけで知らせている。
これが彼のやり方。
昔、何度もインタビューさせて貰った。
彼と共演した時に初めて、オーケストラと一緒になれたから、その秘密が知りたくて。
天才なんだから、何でも出来るくせに。
わかる人にしか、わからないようにしている。
今日は角度的に、まだ指揮が見えたからいいけど。
テンポとは。
メトロノームだけを相手に、どこまで歌えるのか…
指揮と弾くのは、そういう事だと思う。
メトロノームに合わせて弾いたら、音楽にならない。
ではなくて。
その逆。メトロノーム相手に歌えなければ、
テンポ相手に歌えない。
プレトニョフが目の前でこれだけやって見せても、
テンポ×メロの関係がわからなければ、演奏にならない。
今夜も凄く良い演奏だったと思う。ソロの若い日本の子も、非の打ちどころが無かった。
ここまでの高いクオリティのコンサートに。
もし葉加瀬がダメ出しするなら、何だろう…
とか考える。
この「先」を見てみたくなる。
それが音楽なのか。
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