忘れ物の夢


古澤巌コンサートスケジュール

あろうことか。

弓を忘れ。

門で20分程待機後、城に入る時に鞄の重さで気付いた。

取りに戻る時間は無い…最悪…。

弓。…(チェロ…)。

そうだ…

城には、弓、有る?

「そのような事は、直接お話下さい。」

…ですよね…

マズいな~…どうしよう。

女官さんが持って来た3曲の楽譜を見ながら、

この際、バイオリンの代わりに、歌う?

待合室で、小声で、発声練習。これしか無いのか…

?いらした。緊張。

???お二人???

いつもの様に、お一人で、ピアノとの合わせと思い込んで。

誕生会以外で、お目にかかった事は無く。緊張…

おまけに、暑かったから半袖にスニーカー(車が日曜のレース車しかなく)。ますます緊張…。

???軽食ではなく?

着席?ワイン…嘘、夢だろ…運転してきちゃった…飲みたい、飲めない、あ~見るだけ?あ~栓抜いてある~…

先ずは、ちゃんとレース車の話を聞いて下さる。緊張…

えーい。この際、打ち首になろうとも、聞いてしまえ!

「もぐもぐ…あー、あろうことか…もぐもぐ、弓を忘れまして…」

「弓をお借りできませんか?手袋はめますから。」

あーなんという非国民…何やってんだ自分…

「どうぞお好きな方を。」

チェロの弓、両手に1本ずつお持ちになり。

身に余る…嗚呼。神様仏様…

なんと、練習も聞きにいらした。緊張…

「チェロの弓は、いい音ね。」

有り難い音。有り難や…緊張…

チャイコフスキーの「メロディ」。

「卒業の演奏で弾かれた曲よ。覚えています。」

御前演奏?…各音大から、数名、昭和◯后陛下の御前で。82年の春。

その時に…。いらした、覚えてる。

その時に頂いた封筒?の様な物を、神棚に。祖母が何より喜んでくれた。

長い間、何度も何度も弾き続け。

?それまでソファでゆったりと聴いてらしたのが、立ち上がられて。

余りに長い練習に、お帰りかな?と思いきや…

お立ちになったまま、譜めくりを!

なんと美しい光景。

思い出しても涙が出る…

またしても、チェロの弓。

前世はチェロ弾きだったのだろうか…

…そんな夢を見た。

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