
宮沢賢治の作品と落語に、
高橋悠治作の音符が散りばめられる。
ベースラインや、ハーモニーといった、
西洋的な概念ではなく、
メロディに寄り添う、三味線や笛の如く、色が付いていく。
確かに日本の 唄 を思えば、
伴奏が コードを出すわけでもなく、
ハモりでもない トンチンシャンが、
いい案配で入って来る。
透き通る五度や、ぶつかる音。
メロディはと言えば、
日本語の、それもストーリーのシチュエーションを熟考された挙げ句の、イントネーション。
それを暗譜で歌う竹田女史!
おいくつか存じ上げないが、
何度もフルボイスでリハーサルして、本番。
喉も脳も、驚異的。唖然とするばかり。
悠治さんのピアノを聞きながら、
メロディに相対する 色や光を、絶妙なタイミングで奏でる。
ストーリーの中の空気と一体化しながら。緊張したらまず出来ない。
なるほど。音楽の何と一体になるのか、何に集中するのか。
思えばずっと今まで、西洋的な音の世界にいた。日本語の作品を弾く事は無かった。日本人でありながら。
歴史の作曲家と一緒に弾ける幸せ。
「あの時自分は其処にいた。」
今更ながら、貴重な体験。ありがとうございます。
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