厚狭の朝


古澤巌コンサートスケジュール

厚狭に向かっている。雨の風情が、とても癒される。

昨夜の宇部。ディナーショーに、大勢のお客様。

掛け声までかけていただき、盛り上げて下さった。

旅慣れてはいるけれど、宇部のANAホテルの大宴会場は、他のホテルのそれとは大分違う。

立派な佇まい。見た目だけでなく、びっしりカーペット敷なのに、よく響いている。

ディナーショーなのに?なんだか熱い。

ついつい沢山弾いてしまって、10時を軽くまわった。

午後に外に出ると、声を掛けられた。
山形由美のおかあさん。そうだ、宇部は、放射能難民、山形家の終の住処。自慢の那須の城には住めなくなってしまった。

「由美は昨夜までいたのに残念ね。おせんべい持って来たわよ。」

午後2時を過ぎていて、全てが閉まってしまったように見える街並み。途方にくれていただけにラッキー。

自分は何より、センベイが好き。

フレンチのフルコース後でも、必ずセンベイ。風呂入ってセンベイ、クソしてセンベイ、朝から晩までセンベイ。

センベイ・ブギ。

宇部のおせんべいか~と、食べながら裏を見ると、東京のだった。

山形由美は、駅のロッカーからフルートを盗まれた事で知られる。

「あなたが高いバイオリンをロッカーに入れてるって言うから。大変な事になっちゃった。」

そんな。イタリアとかだと、持って歩くのが面倒だけどね。

ワイドショー的に大事件だったけど、三日後無事にフルートは保護された。
日本の警察は素晴らしい。

報道のお陰で、直後の山形由美ツアーチケットはいきなり祝完売。

山形由美の狂言説まで飛び出す始末。ウケる。

幼馴染みの友人として断言するが、

山形由美は決してそんな女ではない。

あの、譜面をいじりながらトークをする姿が、母性本能をくすぐる。

小学校一年生からの同級生。

今回、おかあさんとおしゃべりしていて、目を閉じると、

あたかもそこに、彼女がいるようだった…。

山口には力がある。

大げさで無く、日本の未来がかかっている。

ありがとう、宇部。ありがとう、ソロプチミストの皆様。

小倉に到着。近い。

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