大変美しい建造物だと思う。
通りから見たのではわからないが。
斜め上位から見ると、未来のバベルの様にも見える。
楽屋も演出が素晴らしい。
三度目の宗次。
毎回必ず、ティーテーブルに、バウムクーヘンが置いてある。
「バウムクーヘン」。なんという不思議な、魅惑のお菓子。
子供の頃、まずネーミングと、その見た目に、虜になる。
それ以来、あの時の興奮が甦る。
そして、たぶん高級スナックでしか出てこない、チョコアーモンド。ちょっとした贅沢が、クラシカル・ナイトを演出してくれる。
トイレも広い。勿論、自動で蓋が開く。
そして、日本が世界に誇るウォシュレット。遅まきながら、改装後のオーチャードホールにも遂に設置された、あれ。
さすがに素晴らしい座り心地。全開の水圧も、申し分無い。
さて、そろそろリハーサルにいくかな。
?
止まらん。ウォシュレット。
嘘だろ? どっと脂汗が。
全てのボタンを押してみる。
何も反応しない。
(まるで窮地に立つトムクルーズみたいやな~)
と、余裕をかましてみるが、
焦りに焦る。
お解りのように、座に腰掛けた瞬間に、安全装置が外れた爆弾に座っているわけだ。
凄い水圧だから、立ち上がれない。
とにかく全てが制御不能。
クラシアンに電話しようにも、携帯は、数メートル先… 。
まだ4時だから、開演までには脱出しないとシャレにならない。遠くのモニターで、悠治さんのピアノが鳴っている。嗚呼、悠治さん… 。
名古屋で悠治さんと弾くのは、なんとルンデ以来ではないか?
今はなきスタジオルンデ。学生の頃、悠治さんと同じ会社にいた為、幸運にも子供なのに、世紀の天才と弾かせてもらえた。
そして今、名古屋のクラシック界を牽引する宗次ホール。朝から?、年間何百もの公演を主催している。
音楽に踊りに、名古屋は熱い。
悠治さんと名古屋で、一度だけでも出来てよかった。
ありがとう名古屋、ありがとう宗次ホール。
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