バッハとピアソラのアベマリアは生で弾いた。
このホールならではのウルトラC。
通常は、マイクを公演中に切ったりすると、急に何も聞こえなくなってしまうから、こんな演出は危険すぎる。
勿論バイオリンは生が最高に美しい。
LPレコードからCDに代わった時、
バイオリン録音の時代が終わった。
デジタルで処理出来ない「何か」が、それも肝心要な何かが、再生出来なくなった。科学の進歩のはずが。
耳は自分に都合よく、心地よくありたいと働く。LPはアナログで、アバウトだった。そして「雰囲気」が残り香の様に、耳元に届いた。
SP(蓄音機のレコード)時代が終わるとき、たぶん、惜しまれたと思う。
あれこそ、目の前で演奏したものが、そのまま再生されていた。
コンクールにやっと優勝した二十歳頃、ふらりと大津の「布団屋のおじさん」がやって来た。バイオリンが大好きで、息子の様に可愛がってくれた。そして、沢山のバイオリンのSPを聴かせてくれた。
初めての蓄音機。昔の素晴らしい演奏、シモネッティの「マドリガル」や、「チャルダッシュ」にも、そこで出会った。
ステージの音は、まだまだ進化すると思う。理想にはまだまだ。
名古屋は新しい感動をくれた。秀樹も人が変わったように感動しているのがわかる。
熊野からの仲間も、途中流されそうになりながらもたどり着いてくれた。
今日も気を付けて。
そして、名古屋の皆、ありがとう。
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