
江戸から伝わる風情を味わい、明治・大正の変貌をたどり、現地で違いを見比べる。
文庫版の『東京今昔散歩』が2008年に発売されてから、5年が経過しました。わずか5年ですが、東京スカイツリーがそびえ立ち、辰野金吾設計の東京駅丸の内駅舎の復原工事が完成し、丸の内のジョサイア・コンドル設計の三菱一号館も明治時代の姿がよみがえりました。2008年版の文庫版の現代写真と、2014年版のA5判のワイド版の現代写真との間で、今昔の差が現れるほど、東京の景観は刻々と変わっています。100年もすれば、本書の「現代」写真は、「はるか昔」のレトロ写真として紹介されることになるでしょう。
本書では、明治・大正・昭和初期の絵はがきに写し出された風景と全く同じ視点から現代の写真を撮影しました。何気ない風景の中にも、歴史的にも興味の尽きないエピソードが隠されているのがこの東京。それを掘り出していき、東京を「再発見」してみましょう。
第1章 江戸城から皇居へ
第2章 モネを魅了した亀戸天神の風景
第3章 吉宗が植えさせた墨堤の桜 向島・東京スカイツリー
第4章 江戸時代から続く庶民娯楽の中心 浅草
第5章 橋の展覧会 隅田川
第6章 芸術と文化の中心地 上野
第7章 江戸からの学問の中心地 神田川界隈
第8章 月見の名所 九段坂
第9章 金融・商業の中心地 日本橋界隈
第10章 日本最初のレンガ街 銀座
第11章 日本初のオフィス街 丸の内
第12章 大名屋敷から官庁街へ 霞ヶ関
第13章 江戸城の西の守り 赤坂・四谷
第14章 徳川家霊廟 芝
著 者:原島 広至 定価:1500+税 ページ数:232
判 型:A5判