シャネル・ネクサス・ホールにて、レイモン ドゥパルドン日本で初の個展を開催

フランスを代表する写真家レイモン ドゥパルドンは、世界最高の写真家集団といわれるマグナム・フォトに所属し、ピューリッツァー賞を受賞した苛烈なチャド内戦のルポルタージュをはじめ、報道分野において数多くの重要な仕事を成し遂げてきました。その一方で、世界各地の美しい風景や人々の飾らない姿をとらえた写真作品においても高い人気を誇っています。

そんな彼が初めて日本を訪れたのは1964年、先の東京オリンピックを取材するためでした。当時22歳のまだ駆け出しともいえるドゥパルドンでしたが、2,000点以上におよんだモノクロの写真群には、独自の鋭い観察眼や優れた画面の構成力がいかんなく発揮されています。ドゥパルドンは東京にはじまり、メキシコ、ミュンヘン、モントリオールと歴代オリンピックを写真に収めていますが、報道的かつ人間味あふれる一連の写真は高く評価され、1980年モスクワ大会までの作品をまとめた写真集『J.O.』(初版Seuil; Beaux-Livres, 2004)はロングセラーを続ける一冊となっています。また、この取材は彼にとって初めてのアジア訪問でしたが、以降、何度か訪れることになる東京を被写体に、撮影を行っています。

そして2016年、ドゥパルドンは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をひかえたこの街を、カラーで撮影しました。「色彩とは、子ども時代を過ごした農村の風景や、60年代に取材で訪れたアフリカの、過酷な情況とともに経験した広大な自然や文化等々と繋がるものであり、重要な表現要素のひとつです」と彼は語っています。フランス人哲学者クレマン ロッセが “The Sweetness of Reality (甘美なリアリティ)”と表現したドゥパルドンのカラー作品には、メロウかつ豊かな色彩の美が際立っています。

本展覧会では、ドゥパルドンが東京を撮影した過去作とともにカラーによる撮り下ろし作品を併せてご紹介いたします。稀有な写真家の目を通して撮られたこれらの作品群は、日常に溶け込んで気付かれずに過ぎていく東京の姿を教えてくれるとともに、世界中で尊敬を集める芸術家の、過去と現在を象徴的に示すものであるともいえるでしょう。

開催期間 2017年9月1日(金)~10月1日(日)12:00~20:00 (入場無料・無休)
会場   シャネル・ネクサス・ホール(中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階)
主催   シャネル株式会社
http://chanelnexushall.jp/

レイモン ドゥパルドン/写真家、映画監督
1942年フランス、ヴィルフランシュ=シュル=ソーヌの農家に生まれる。60年に報道写真家として活動を始め、アルジェリアやベトナム、ビアフラ等の戦地を取材した。1966年、写真通信社「ガンマ」の設立に参加。1977年にはチャドを取材した仕事によりピューリッツァー賞を受賞、1973年には写真集『Chili』でロバート・キャパ賞を受賞した。1979年マグナム・フォトの正会員となり、1996年には30年間に及ぶアフリカ取材をまとめた写真集『En Afrique』を出版するなど、フランスを代表する写真家の一人として活躍してきた。

2010年に個展「La France de Raymond Depardon(レイモン ドゥパルドンのフランス)」展をフランス国立図書館(BnF)で開催、さらに同展はカラカス(ベネズエラ 2013)、メデジン(コロンビア 2014)およびボゴタ(コロンビア 2015)、リマ(ペルー 2016)等、世界を巡回した。また、カラー写真に焦点を当てた「Un moment si douce(甘い瞬間)」展が2013年にパリのグラン パレで開催され、翌年には欧州地中海文明博物館(通称MuCEM マルセイユ)に、2017年にブエノスアイレス(アルゼンチン)に巡回している。これまでに71冊の写真集を出版しており、代表的著書のひとつ『Errance(さすらい)』(Seoul, 2000)は2017年8月、日本でも刊行を予定している。

また、1974年から映画制作にも精力的に取り組んでおり、ドキュメンタリー映画の監督として世界的に高い評価を得てきた。日本国内で上映された作品には、山形国際ドキュメンタリー映画祭で市長賞を受賞した『アフリカ、痛みはいかがですか?』(1996)や、フランスの権威ある映画賞ルイ デリュック賞を受賞した『モダン・ライフ』(2008)があり、クローディーヌ ヌーガレが共同監督として参加した  『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』(2012)は2017年9月日本での上映が決定している。これまでに制作してきた映画は計21本におよび、最新作『12 Jours(12日間)』(2017)は、今年のカンヌ国際映画祭で上演された。

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