『私の男』原作者・桜庭一樹、監督・熊切和嘉登壇、完成披露試写の模様

 

桜庭一樹・熊切和嘉
 

理屈を超えた禁断の愛を描き、2008年に直木賞を受賞した桜庭一樹によるベストセラー小説「私の男」。像化不可能と言われてきた本作が、『海炭市叙景』、『夏の終り』など、人間の心の機微を美しい映像に乗せて深く丁寧に描き、国内外で高く評価される熊切和嘉監督の手により映画として、6月14日より新宿ピカデリーほか全国公開となる。
3月4日、マスコミ向けの完成披露試写会にて、熊切和嘉監督と原作者の桜庭一樹が登壇し舞台挨拶を行いました。

2013年から丸1年かけて完成された本作について監督は「感慨深い想いです」と挨拶。桜庭さんは「映画をきっかけに原作を読んでくれる方もいるのでとても嬉しく思います」と笑みを浮かべた。
監督が原作と出会ったのは、2010年。『海炭市叙景』を撮り終わった後に原作を手に取り、「映画で人間を描く上で避けて通れない気がして、次に撮るならこれだと思った」と語り、映画化の背景を語った。熊切が監督として映画化が決まったことに対しては「映画が好きだったので、ぴあフィルムフェステイバルで受賞された同世代の方で、自分の思い入れの強い監督が撮ってくれると聞いて、とても嬉しく思いました」と喜びを口にした。

原作ファンも注目する主人公、淳悟と花に扮するのは、浅野忠信と二階堂ふみ。「浅野さんをイメージして原作を読んでいました。淳悟の底知れぬ空虚感は浅野さんしかできないと思いました。二階堂さんは別作品のオーディションで会った時に『花がいる』と思いました」と監督は二人のキャスティングについて経緯を明かした。桜庭さんは「原作が発売された時も、淳悟のイメージとして浅野さんの名前があがっていた。特徴のないのが花。普通に見えて、どこか計り知れない難しい役を二階堂さんは演じてくれました」と、キャスティングにも大満足な様子だった。

撮影は、物語の重要な背景となる流氷を待って2013年1月20日に、北海道・紋別にてクランクイン。16㎜、35㎜、デジタルと撮影機材を使い分け、北海道の雄大な自然を余すところなく捉えるべく指揮をとっている。いつ流氷がくるかが分からないため、「毎日、流氷の情報を確認していました。奇跡的なタイミングで撮影ができました」と、本作の見どころの一つとなるシーンを振り返った。紋別の撮影現場には原作の桜庭一樹も訪問し、「流氷からカメラマンが落ちたんです。ベテランのスタッフさんが『カメラが先だ!』とおっしゃられて、その後に『カメラを先に上げた方がおまえを助けやすいんだ』と説明されていた」と笑い交えて、撮影時の秘話を語っていた。

最後に、桜庭は「原作は主人公たちに感情移入できるように書きましたが、映画は俯瞰で二人を見ています。テーマが同じ中でアプローチの違いがあるのが面白い。原作も映画も両方楽しんでもらいたい」と本作をアピールし、監督は「11本目の長編作品。今できることを全て追求しました。体感してください」と、自信のほどを語った。

 

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